コラム
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ビデオグラファーのための(持ち込み)結婚式撮影マニュアル vol.5
こんにちは。
緊急事態宣言が解除されて数日が経ちますが、流石にまだ連日新型コロナウイルス関連のニュースが続いていますね。
何でも九州では早くも第二波の予兆とか…
結婚式を安心して催せる日は一体いつになるのでしょうか…
と、いうわけで「今、できることを」。この記事が少しでも結婚式のビデオ撮影をする方々の参考になることを願うばかりです。
今回は挙式も終わり、披露宴の撮影についてです!
披露宴(前半)
一般的に披露宴ではビデオ撮影時の制限事項は特にないことがほとんどで、自由に撮影できると考えていただいてよいかと思います。
ただし、披露宴ではイベント進行と並行して料理や飲み物等がサービスされていますので、それらの妨げになったりサービススタッフとぶつかったりということのないように十分気を付けてください。
また、挙式終了から披露宴開始までの間に、受付やゲストの会場入りの撮影、物撮りなどをしつつ下記について確認しておきましょう。
- 各テーブルの配置、両家両親宅の位置
- スポットライトの有無と色温度
- 映写用スクリーンの位置
- 入場扉の位置と高砂までの導線
- 祝辞の立ち位置(マイクスタンドが近くにあることが多い)
また、会場キャプテンや司会者の方に対し挨拶をしておくことも非常に重要です。
披露宴の一般的な進行は下記となります。- 新郎新婦入場
- 開宴の辞
- ウェルカムスピーチ
- プロフィール紹介
- 主賓挨拶
- 乾杯
- ウエディングケーキ入刀
- 中座
- 新郎新婦再入場
- ゲストによる余興
- 祝電披露
- 新婦手紙朗読・記念品および花束贈呈
- 謝辞
- 新郎新婦退場
新郎新婦入場
新郎新婦入場は披露宴オープニングを飾る華やかなシーンです。
オープニングムービーがある場合はスクリーンを撮影でき、かつ入場扉を目視できる撮影ポジションを取りましょう。
オープニングムービーの再生時間が事前にわかっているとよりよいですが、映像を観ていれば大まかな入場のタイミングは把握できますので漫然と撮影せず、映像の内容もチェックしながら撮影してください。
なお、映像上映中は会場が暗転しますので、移動を伴う場合は十分に注意してください。
新郎新婦入場の瞬間において、スポットライト(ある場合)の輝度がどの程度なのか事前に確認できる機会はまずありません。そのため、どのような明るさのライトが点灯しても対応できるように、アイリスやISO、ゲインの切り替え操作をシミュレーションして入場シーンの撮影に備えてください。
また、ここでオートフォーカスに設定しているとスポットライト点灯時にフォーカスが迷う場合もありますので注意が必要です。
メイン扉が開き新郎新婦が入場すると、多くの場合入場してすぐの位置で数秒間立ち止まります。
写真撮影のための間になりますので、ここでしっかりと新郎新婦の2ショットを撮影してください。
なお、ここから高砂までの導線ですが、デジタル一眼レフ撮影の場合は一旦会場全体がフレーミングできる位置まで引き、できるだけ新郎新婦の動きに並行した位置から撮影するとフォーカス操作の上で失敗が少なくなります。
祝辞
祝辞は、多くの場合新郎側新婦側それぞれの主賓がスピーチをします。
立ち位置は新郎側の主賓は新郎の横、新婦側の主賓は新婦の横となる場合がほとんどですので、先読みをして撮影ポジションを選択します。
デジタル一眼レフでのエンドロール撮影の場合などは、ゲストの表情を追いながら撮影することが多いかと思いますが、この時スピーチ内容にも耳を傾けておかないとスピーチが早めに結んだ場合に慌てることになるので注意しましょう。
乾杯
祝辞に続いて乾杯となります。
乾杯の前にスピーチがあることも多いので状況を見ながら撮影してください。
なお、乾杯の際はゲスト全員が起立します。
撮影できるポジションがかなり限られますので、乾杯酒が全員のグラスに注ぎ終わる頃に速やかに移動してください。
ウェディングケーキ入刀
しばらくの歓談の後、ウェディングケーキ入刀へ移ります。
多くのゲストがケーキ前に集まりますので、早めに移動し良いポジションを確保してください。
この時、ケーキにかなり近い場所にいることが多いと思いますが、背後から撮影するゲストの方々のために必ずしゃがんだり膝立ちの姿勢で撮影するようにしてください。
なお、ケーキ入刀の直前までキャプテンが新郎新婦のそばについて説明などをしていますが、入刀シーンになったらうまく避けてくれますので位置関係で被ってしまっていても焦って移動したりしないようにしてください。
また、このケーキ入刀の後にファーストバイトのセレモニーが行われることも多いです。ケーキ入刀時と同じポジションのままで撮影してもよいのですが、余裕があれば画に変化をつけるために移動するのもよいでしょう。
この時、どちらかというと新郎をメインに撮れるポジションにしておくと、新郎の食べるシーンはアップショットで捉え、新婦の食べるシーンは控えめになりますのでそうした配慮も行うようにしてください。
ちなみに、サンクスバイトがある場合は両家両親や友人が参加するので、ある程度後方に移動しないと全員が画角に収まらないので注意が必要です。
中座
お色直しのために新郎新婦が一度支度部屋に移動するのですが、新婦の方がお仕度に時間がかかるため先に中座し、新郎はひとりでゲスト対応をした後に中座となります。
この時、新婦および新郎と一緒に退場するゲストの方(ご家族やご友人)をサプライズで司会者が呼ぶことが主流となっています。
事前に進行表で誰が呼ばれるのかを確認しておき、中座アナウンスが始まったら早めにその方を見つけておくと、呼ばれた時の驚いた表情や、高砂に歩み寄ってくる様子などを捉えることができます。
新郎中座の場合は新郎母が呼ばれることが多いのですが、当日一日を通して新郎と新郎母の2ショットはこのシーン以外にほぼありません。
また、新郎母に注目が集まる機会もほぼこのシーンのみ(新郎父は謝辞を述べる機会がある)となりますので、新郎母の表情などを中心にしっかりと撮影してください。
ここまでで披露宴前半となりますが、いかがでしたでしょうか。
この後は披露宴後半へと続きます!