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  1. ビデオグラファーのための(持ち込み)結婚式撮影マニュアル vol.1

    こんにちは。

    新型コロナウイルスの影響で各種イベントは自粛…そのあおりで弊社でも入っていたイベント撮影のご依頼がほぼキャンセルに(´;ω;`)…

    こないだまでは4月10日に発売になったPS4のファイナルファンタジー7リメイクをやり込む!という格好のヒマつぶしがあったのですが、先日ついにクリアしまして。

     

    弊社のサービスは出張ビデオ撮影なので、このご時世ではどこにも出張できないのですが(>_<)、何かやれることを、ということで以前ちょこっと書きました結婚式ビデオ撮影のコツなどをハイアマチュア~駆け出しプロの方向けに深堀りして書いてみることにしました。

    本来なら結婚式のハイシーズンであるこの時期、未曽有の事態で多くの新郎新婦が延期など苦渋の決断をされたことと思います。

    コロナ終息後に改めて結婚式を挙げるその時はビデオも素敵に残してほしいなと思います。

    そしてビデオ撮影を趣味とされているハイアマチュアの方や独立してフリーランスになったビデオグラファーの方の少しでも参考になれば幸いです。

     

    ぞと(笑)!

     

    はじめに

    結婚式のビデオ撮影というものは非常に特殊で、挙式や披露宴で行われる各イベントについて十分に把握し瞬時に対応することはもちろん、押さえておくべきシーンも多岐に渡ります。

    さらに、撮り逃しの許されない緊張感の高い撮影を、多くの場合ワンマンでこなさなければならないという難しさがあります。

    そのため、当日の現場で慌てることのないよう、事前準備が非常に重要になります。

    私は結婚式撮影を500件以上行っており、その多くが持ち込みによる初見会場での撮影でしたが、不測の事態や突然の変更というのは意外と多いものです。

    様々な状況に柔軟に対応できるようしっかりとした準備を行い、是非一生に一度の新郎新婦の晴れ舞台を素敵に残してください。

    撮影前日までの準備

    会場の把握

    会場についての下調べは非常に重要です。当日会場に行ってみて慌てたりしないようにしっかりと準備をして臨みましょう。

    通常は挙式開始またはメイクアップ時間から逆算して会場への入り時間を計算すると思いますが、その際、最寄り駅からの距離も考慮に入れておく必要があります。

    特に都心の会場の場合、地下鉄のホームから改札まで移動するだけで10分以上を要する場合もあり十分な注意が必要です。

    また、実際に行われる挙式および披露宴会場の様子について事前に確認しておくことは特に重要です。

    検索エンジンを利用して会場の画像を確認することはもちろん、YouTube等の動画共有サービスで「会場名+結婚式」と検索することで、実際の会場で撮影された結婚式の動画を視聴できる場合も少なくありません。

    [例]
    YouTube内検索:ホテルニューオータニ 結婚式
    YouTube内検索:アンダーズ東京 結婚式

     

    その際、下記の点に注意をしておくと有益です。

    挙式(キリスト式)の場合

    • 挙式全体の流れ
    • 新婦入場時に参列者が起立するかどうか
    • 室内照明の他に外光が入るか
    • 室内照明の色温度
    • 室内照明にフリッカーが発生するか
    • 照明による演出(スポットライト等)の有無
    • 讃美歌を何番まで歌うのか

    披露宴の場合

    • 会場の広さ、扉と高砂の位置関係
    • 室内照明の他に外光が入るか
    • 室内照明の色温度
    • 室内照明にフリッカーが発生するか
    • 上映物がある場合、スクリーンの位置
    • 入場時のスポットライトの有無、色温度
    • 祝辞の立ち位置、ライティング
    • 会場独自の演出
    • 手紙朗読、謝辞の立ち位置、スポットライト

    おおむねこのあたりが確認できるとよいとは思いますが、注意しておきたいのは過信は禁物、ということです。

    視聴した動画といくら会場が同じだったとしても、内容が同じという保証は一切ありません。撮影された時期にもよりますし、担当する牧師さん、プランナー、キャプテンによってもやり方は異なります。

    何より、新郎新婦のお二人が実現したい結婚式の形というものはそれぞれ違いますので、写真や動画で仕入れた情報はあくまでも参考として頭の隅に置いておき、当日目の当たりにする会場の状況が全てだということは忘れずにいておいてください。

    進行の把握

    進行表や席次が入手できていれば、当日の挙式および披露宴において、どのようなイベントが行われるのか具体的に把握しておきましょう。主な確認事項は下記となります。

    メイク~挙式前

    • メイクアップ時間
    • ブライズルームへの撮影入室の可否
    • ファーストミートの有無
    • 館内ロケーション撮影の有無(ある場合は)場所 ※稀にタクシー移動などがある場合も。
    • 親族紹介の有無および新郎新婦の立会いの有無
    • 受付のタイミングと場所

    挙式

    • チャペルの場合はキリスト式と人前式のどちらか
    • ヴェールダウンを行う場所(チャペル内or外)
    • リングボーイ(ガール)等の有無と登場タイミング
    • ブライズメイドや立会人の有無と登場タイミング(人前式)
    • 会場独自のセレモニーの有無と内容確認
    • 挙式後イベント(フラワーシャワー、ブーケトス、集合写真等)の有無

    披露宴

    • オープニング映像の有無
    • 祝辞の人数や肩書
    • プロフィール紹介がどのタイミングか
    • ケーキ入刀でファーストバイトの有無とサンクスバイトの有無
    • 誰と中座するのか、サプライズかご存知か ※稀にゲスト席に迎えに行く場合があります
    • 中座中の上映物やイベントの内容
    • 再入場の方法、場所
    • 余興の内容 ※内容により撮影方法を熟慮する必要があります
    • 新婦の手紙朗読の有無 ※稀にない場合があります

    機材の準備

    機材の準備については、メイン機材の事前メンテナンスはもちろん、バッテリーの充電やバックアップ機材の手配なども必要となってきます。

    特に、メインカメラを自前ではなくレンタルしている場合には、録画設定やアサインボタンの機能割付けなどを確認しておきましょう。

    ビデオカメラ撮影の場合

    メインカメラ…SONY、Panasonicなどの業務機で、アイリス、ズーム、フォーカスの3連リング搭載機が操作上望ましいです。

    フォーカス、ズーム、アイリスの3連リング(SONY HXR-NX5R)

    また、逆REC対策としてダブルスロット搭載で片方のスロットは常にREC状態にしておけることも重要な点になります。

    A、Bの2スロットを搭載(SONY HXR-NX5R)

    スロットA、Bに別々のRECボタンを割り当てることが可能(SONY HXR-NX5R)

    撮影機材はどんなにメンテナンスをしていても突然故障することはあり得ます。

    サブ機の手配は撮影内容により異なりますが、メイン機が故障したときに備えて代替機として耐え得るクラスのカメラを最低1台は準備したいところです。

    デジタル一眼レフ撮影の場合

    メインカメラ…センサーサイズはフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズのどれでも問題はありませんが、極力ダブルスロット機が望ましいでしょう。

    ビデオカメラの場合とは違い、2スロット同時録画ができる機種は(おそらく)ないので運用としては逆REC対策ではないのですが、万一REC中のカードにエラーが生じた際に即座にスロットを切り替えて撮影を続けることができるというメリットがあります。

    また、編集者と組んで当日エンドロール等の商品を撮影する場合にはダブルスロットは特に有効で、何らかのトラブルでカードの受け渡しや差し替えがうまく行えなかった場合でも、焦ることなくもうひとつのスロットにRECすることが可能です。

    私の場合には、EOS 5D markIVをメイン機にしているのですが、CFカードとSDカードのダブルスロット仕様となっています。

    CFカードとSDカードのダブルスロット仕様(Canon EOS 5D markIV)

    SDカード→CFカードへのアダプタを使用してSDカード2枚差しの形を作ることで、万一編集者の環境がSDカードしか対応していない場合でも運用できるようにしています。

    MATECH SD→CF変換アダプター

     

    ここまでが撮影前日までの準備編となります。

    いかがでしたでしょうか?思ったよりもいろいろなことを確認しておく必要があると感じた方も多いかと思います。

     

    繰り返しますが、結婚式は一切やり直せないイベントです。

    撮影当日にどんな事態が起こっても冷静に対処できるように、準備は決してしすぎることはないのです。

     

    それでは次回はいよいよ当日の撮影編です!

    お読みいただきありがとうございました<(_ _)>